(1)最も大切な指標は「一株当たり利益」だ!
 一株利益を見極めることこそが投資の第一歩

いざ株式投資……とは言っても銘柄が多すぎてどの株を買えばいいのかわからない――株式市場には3千以上もの銘柄が溢れ、この中からどれを選ぶか、というのは誰もが迷うことでしょう。
 銘柄を見る目を養うには、まず「一株利益」が最も大切な指標と考えてください。
 企業の最大の目的とは、とにもかくにも「利益の追求」にあります。そして企業は株主あってのもの。高い利益をあげることは、一株当たりの利益=一株利益を向上させることにつながっていきます。

一株利益=当期利益÷発行済み株式総数

 決算期間1年の間で生まれた最終利益を、発行済みの株式総数で割ったものが一株利益です。株主にとっては「自分の持っている株式1株に対して、企業がどれだけの利益をあげたか」を示す指標となるわけですね。
 株主は一株利益の動きを見ることで、自分の持ち株分の増減変動が直接的にわかります。仮に、企業が利益を全部吐き出して配当を行えば、「一株利益の高い企業ほど配当金は高い」ことになり、イコール株価も高く買われて良いことになります。
 「一株利益の高い企業は資本を効率的に使っている→収益性が高く、優秀な企業である」ということが言えます。3000社以上の銘柄を見る上で、一株利益はトヨタやNECといった大企業から新興企業まで、企業の規模を問わない使い勝手の良い指標なのです。
 例えば「○×社の最終利益は今3月期大幅増益」というニュースが出た場合、それは増資をしていない限り、株主にとっては一株利益向上という好材料につながります。
 企業の最終的な目標は、利益をあげること、そして究極的には一株利益を高めること。株式投資の第一歩がこれです。
 なお、一株利益は「今年度決算期の見通し数値」を重視してください。株式投資で大切なのは未来予測。終わった期のことは極端な話、どうでもいいのです。

(2)投資の基本は一株利益とPERを掴むこと

 銘柄の割安・割高を見分けるモノサシとして大切なのがPER(株価収益率、price earnings ratio)と呼ばれるものです。

 PER=株価÷一株利益(今年度見通し数値)

 PERからは「現在の株価は一株当たり利益の何倍まで買われているか」ということがわかります。さて、この倍率の適正水準は一般的には30倍が目安とも言われますが、市場動向、業種によって大きく変動します。
 新興企業のPERは目先の業績よりも将来的な利益成長を買う傾向が強いため、PER500倍以上の銘柄も少なくありません。つまり将来の一株利益の急拡大を見越しているわけですね。ですから、新興市場での銘柄探しにはPERは少々使いづらいモノサシとなります。
 やはり、PERは東証一部市場に象徴される安定成長企業に最も適した指標です。
 興味のある銘柄を見つけた場合、同業他社のPERと比べてどうか、市場全体と比べてどうか、に注目してください。



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