(1)株は生き物
 そのメカニズムを解き明かす

「この企業は今度ヒット間違いなしの有望商品を出す。きっと株価も上がるだろう!」こんな目論見で株を買っても、思い通りには行かず、株価は下がるばかり……逆に「業績が悪く、株価は下がるだろう」と思って持ち株を投げたら、逆に株価は上昇……こうしたケースは非常に多いですね。
 株が決して予想通りには動かない理由は株自体が生き物であることにほかありません。 さて、株価が上がる材料を好材料、下がる材料を悪材料と呼びますが、基本的に以下の4つの要因で株が動くことを覚えてください。

・企業業績
 企業の利益が拡大すれば、配当金は増え、一株当たりの利益(後述します)も上昇します。市場参加者が最も重視するポイントといえるでしょう。利益が増えれば株主還元(増配や株式分割など)が行われる公算も大きくなることも見逃せません。

・需給
 単純に、売りたい人が多いか、買いたい人が多いかという意味です。需給要素は様々ですが、持ち合い(企業同士が相互に株を持ち合うこと。銀行が企業株を保有するケースが多い)の解消などが増えますと、いくらいい材料が出ても売りに押され、株は上がらないというケースも出てきます。また、株式には現物取引以外にも信用取引(初心者の方は絶対手を出してはいけません)というものがありますが、この動向も株価の動きを左右します。具体的には信用買い残・売り残の多い銘柄は要注意。これは後述します。

・外部環境
 ニューヨーク株式市場など海外株式市場、為替市場、金利動向が株価を動かす要因になります。グローバル化の中で世界経済はつながっており、日本の株式市場も外国人投資家のシェアが大きな割合を占めています。例えば半導体の不振が伝えられると、海外でも日本でもこれに関連する銘柄は売られることになります。特にハイテクなど世界を相手にする日本企業はこうした海外市場の動向をモロに受けます。
 また、為替動向は海外売上高が多い企業ほど影響が大きく、電機・自動車など輸出企業は基本的に円安→買い、円高→売り、また石油・電力といった輸入企業は円高→買い、円安→売り、となります。

・市場全体の状況(心理や雰囲気)
 市場の状況は「地合い」という言葉が使われます。「地合いが良い」場合は好材料に対する株価の反応が良いです。このケースでは、格別の材料でもないのに株価が上がってしまうことがあります。逆に「地合いが悪い」場合は悪材料に対しての反応が強くなります。企業がどんなにいい決算を発表し、どんなに画期的な製品を開発したとしても反応もなく、逆に下がってしまうケースですね。

(2)株価は時々刻々、材料を織りこむ
  毎日の株価で市場は必ず「正しい答え」を出す

 株価は以上の4つの要因が複雑に絡み合い、これを織り込みつつ日々動いています。株価は計算されたデータのようなモノではないですから、この4つのメカニズム通りには動かないこともあります。材料に株価が反応しない場合は往々にして「織り込み済み」→「市場の予測の範囲内の材料だった」ということです。具体的には、ほとんどの人が「好業績はわかっていた」、「業績の悪化はわかっていた」、となります。逆に大きく反応したときは「サプライズ」→「市場の予測を超えた材料だった」となります。
 ですから、こうした要因に対して「株価はどう反応するのか」を見極めることが勝利への第一歩ですね。
 この点、注目して欲しいのは日々の株価の「終値」です。日中上下に動いたとしても、その日の企業に対する市場の評価は「終値」に集約されます。
 とにかく、思い通りに株価が動かなかったとしても、この市場が出す答えに対しては謙虚な気持ちを持って下さい。必ず、次の投資につながるヒントが見つかるはずです。



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