(1)マーケットごとに銘柄の特性は異なる


 投資目的に沿った市場を選択しよう

 個人投資家が株を買うことができる市場は大きく分けてこれは「一部市場」、「二部市場」、「新興市場」の3つに分かれます。取引所は全国6ヶ所、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の5つに分かれます。
 厳密には株式市場には「発行市場」と「流通市場」と呼ばれるものに分かれます。企業は資金を調達する際、株式を発行し証券会社を通じて投資家を募ります。これが発行市場。その後は証券取引所で投資家同士の売買が行われます。これが流通市場。主に株式市場と呼ばれるものはこの流通市場を指します。

・1部市場
 新日鉄、ソニー、NTTなど日本を代表する企業が揃っているのが1部市場。最も多くの株式が売買されるマーケットがお馴染みの東証1部市場です。よくニュースで取り上げられる「日経平均株価」、「TOPIX」といった株価指数は東証1部の銘柄の株価から算出されています。
 1部市場は業績の安定性・財務の健全性・先行きの見通し・株主構成などに関して一定の上場審査基準をクリアした一流企業が揃っており、初めて株式投資をされる方にはこの1部市場の銘柄がオススメです。
 1部市場の銘柄は
◎流動性が高い……参加者も多い一部市場は発行済み株式総数の多い銘柄が軒を連ねるため、「買いやすく売りやすい(流動性が高い)」という点で優れている。
◎情報が豊富である……有名企業が揃っているため、企業の動きを掴みやすい。
◎倒産リスクが比較的小さい……厳しい審査基準をクリアしているため、新興企業のように突然の倒産に見舞われるケースは少ない。

 半面
×値動きが重い……株式数も保有者も多いため、短期的な「大化け」は期待しづらい。
×成長は一巡している……今後急激な利益成長が期待できないため、「夢」を買う投資対象としては面白味に欠ける。

 といった特徴があります。もちろん、例外もありますが、1部企業への投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」の銘柄が多いと言えるわけです。

・2部市場
 2部市場は中堅企業(中小企業と大企業の間の存在で、主に市場を通じて資本調達ができる会社を指します。資本金ベースでは3億円以上)の多い小型株中心のマーケットです。従来は2部→1部、といった流れがあったため、1部市場への登竜門的役割を果たしていました。しかし、近年は新興市場から2部をすっ飛ばしていきなり1部に上場する銘柄も多く、その存在感には陰りが見えています。
 成長途上の銘柄もありますが、概ね成長の終わった銘柄が多く、現在はセミプロ中心の玄人投資家中心のマーケットの印象が強まっています。


・新興市場
 JASDAQ(ジャスダック)、東証マザーズ、大証ヘラクレスは新興三市場と呼ばれています。ズバリ、ハイリスク・ハイリターンの「若い成長企業」がひしめくマーケットです。
 もちろんすべてが若い企業ではなく、長年JASDAQにとどまっている銘柄には一芸に秀でた「オンリーワン」企業、ユニークなニッチ企業も多いです。
 マザーズ、ヘラクレスは新興企業に完全特化したマーケットです。上場基準もジャスダックより緩く、赤字会社やごくごく初期段階にあるベンチャー起業でも上場が可能です。審査期間も東証1・2部が約3ヶ月であるのに対し、こうした新興市場は上場申請してから1ヶ月~1ヶ月半程度と短いものとなっています。
 例え若い小規模な企業でも、将来性が有望と認められれば株式公開、資金調達の道が開けるようになったわけですね。
 ただし、これら新興企業の土台は決して安定していません。いくら将来性が注目されて脚光を集めたとしても2003年のデジキューブ(ヘラクレス)、2005年のゼクー(マザーズ)のようにあっさり倒産してしまう企業も少なくありません。
 有望ビジネスは年々目まぐるしく変りますので、新興市場投資には細心の注意が必要です。「いつなくなってもおかしくない」
 このため、ビジネスの有効性と将来性に対しては細かくチェックすべきでしょう。ムードだけで前人気を集め、呆気なく市場から消えていった企業は数限りなくあります。
 株式投資初心者の方は、よほど有力な情報がない限り、海のものとも山のものともつかぬ銘柄には手を出さない方が賢明でしょう。
新興市場は1部市場に比べ

×流動性が低い……株式総数が少ない、市場に出回っている株が少ない企業が多い
×情報が比較的乏しい……マザーズ、ヘラクレスで熱心なディスクロージャーが行われていますが、東証1部銘柄の情報量とは比べものにならない。
×倒産リスクが高い……経営基盤が定まっていない企業が多いため、わずかな資金ショートであっさり倒産とてしまう危険がある。

◎値動きが軽い……株式数も少ないため、値動きは一方的になりがち。ジェットコースターのような相場展開も。
◎成長はこれから……企業の成長を見守る、つまり投資家は企業に夢とロマンを託すことができます。

といった違いがあることに十分注意してください。

 
これは知っておきたい
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