(1)そもそも「株式投資」とは何かを知ろう
株には「値上がり益」、「配当金収入」という2つの大きな魅力がある。
そもそも株式投資にはどんなメリットがあるのでしょう。なぜ人々は株式投資に魅力を感じるのでしょう。「儲かりそうだから……」という単純な理由だけで投資を考えないでください。まず、株には大きな魅力が2つあるということを押さえてください。
それは、買った株が上昇したときの値上がり益(キャピタルゲイン)と、1年に1~2回受け取ることができる配当金の収入(インカムゲイン)の2つです。
多くの人が「おカネを殖やしたい」と考えていますが、今は空前の超低金利時代。銀行預金ではとてもおカネを殖やすことは不可能です。近年の株式市場に人が集まるようになったのはこの「行き場を失ったおカネ」が流入していることも一つの要因です。
キャピタルゲインは株を取得価格より高く売るときに得られる利益。
例えば500円でA社の株を千株取得し(取得金額50万円、除く手数料)、600円で売れば差し引き10万円となります。
ファミコンで有名な任天堂は1981年には700円程度の株でしたが、その後のテレビゲーム人気の沸騰を映し、90年には何と34300円という証券史に残る大相場となりました。81年に買っていれば(取得金額70万円)、9年後には約50倍になったことになりますね。
これに対し、インカムゲインは企業が年間の利益から株主へ支払われる配当金。1株当たり年5円配当であれば、千株を持つ株主は5000円の配当金が受けられることになります。
キャピタルゲインを狙うなら投資期間は比較的短期のものになり、1日で利益が出る場合もあります。インカムゲインを狙うなら年単位の投資、投資期間は比較的長期のものになりますね。例えば「これだ」と思う有望成長企業の株を何年も保有していれば、思惑通りに企業が成長した場合、株主は予期せぬほど多くの配当が得られる場合もあります。
(2)しかし株式市場には“リスク”がつきまとう
株には「値下がり損」、「配当なし=無配」がつきまとう
株は生き物です。人生に似て、決して思惑通りには動きません。「この株は上がるだろう」と思って買ってみたものの、株価は下がる一方……。キャピタルゲインを得るつもりが逆に値下がり損(キャピタルロス)を食らう場合もあります。この点が預貯金とは大きく違うところですね。500円でA社の株を千株買って(取得金額50万円、除く手数料)、400円まで下がれば、持ち株の価値は40万円。つまり10万円の損を抱えてしまう場合もあります。
NTTの株は1987年に何と318万円(1株)という高値を付けました。だがその後株価は見る見る下がり続け、多くの投資家が“塩漬け”(値下がりした株を売るに売れず長期保有してしまうケース)を余儀なくされ、92年には45万3千円まで下がってしまいました。5年で約7分の1の計算です。いくら日本を代表するような企業の株でも下がるときは強烈に下がることをしっかりと覚えておいてください。
近年、話題を振りまいたライブドア株はどうだったでしょう。ライブドアは98年に公開価格600万円(当初はオン・ザ・エッジ。その後の株式分割を考慮した理論値は200円)、初値440万円(同146円)、2003年に上場来高値1万8220円(同1822円)を付け、堀江社長逮捕の余波から2006年に上場廃止、94円で取引を終えました。200円→1822円→94円というまるでジェットコースターのような相場だったわけです。
値上がり益と値下がり損はまさに裏表。株式投資はある意味預貯金などとは比べものにならないハイリスク・ハイリターンな金融商品です。
また、インカムゲインを得るつもりでいても、当てにしていた配当金がゼロ(無配転落)というケースもあります。2005年、不振の続く三洋電機は2006年3月期の配当を無配としました。これは1954年に上場して以来、初めてのことです。株主にとっては大きな衝撃となりました。三洋電機といえば日本を代表する一流企業だったのですが、不振続きの果てに思い切ったリストラ(関係会社の整理統合、人員削減)に迫られ、配当金を支払う余裕がなくなってしまいました。
このようにキャピタル狙い、インカム狙い、いずれもリスクがあります。信じられないようなうまい話もあれば、厳しい現実もあることを十分に認識してください。